後遺障害等級認定の仕組みと認定までの流れ

更新日: 2021.05.14

交通事故によって怪我を負い、治療をしても完治せずに症状が残ってしまうことがあります。
まだ症状が残っているにも関わらず、保険会社の担当者から「治療費の打ち切り」、「症状固定」や「後遺障害認定申請」といった言葉が出てくるようになった方は、後遺障害等級認定を見据えた準備が必要な状態である可能性があります。
後遺障害等級が認定されると、加害者に対し、その認定を受けた等級の内容に沿った賠償を求めることができます。
ここでは、後遺障害とは何か、後遺障害等級認定の仕組み、認定までの流れについてご紹介します。

後遺障害とは

日常生活において、「後遺症」という言葉をきいたことがある方は多いのではないでしょうか。「後遺症」は、一定期間治療をしたにもかかわらず残存した症状すべてのことをいいます。

一方、交通事故賠償の実務における「後遺障害」は、後遺症と字面こそ似ているものの、その意味は異なります。

後遺障害は、後遺症のうち以下の要件を満たしているものをいいます。

【後遺障害とは】

①将来においても回復が見込めない状態となり(症状固定)、

②交通事故とその障害との間に因果関係があり(相当因果関係)、

③その障害が医学的に認められるものであり、

④労働能力の喪失(低下)を伴うもので、

⑤その程度が自賠法施行令の等級に該当するもの

それではそれぞれの要件についてみていきましょう。

① 将来においても回復が見込めない状態(症状固定)

「将来においても回復が見込めない状態」とは、治療を継続しても大幅な改善が見込めない、治療や投薬を行うと一時的に良くなるが、少し経つとまた元に戻ってしまうというように、症状が一進一退を繰り返す状態を指し、この状態のことを「症状固定」といいます。

後遺障害といえるためには、症状固定を迎えている必要があります。

② 交通事故とその障害との間に因果関係がある(相当因果関係)

「因果関係がある」とは、交通事故と治療の末に残った障害が原因と結果の関係にあるかということです。もっとも、交通事故と残った障害が原因と結果の関係にあれば、ただちに因果関係があるという訳ではありません。

後遺障害といえるためには、社会通念上、事故によって生じることが相当といえる障害に限られます。これを「相当因果関係」といいます。

③ その障害が医学的に認められる

本来、被害者に残った症状やその辛さは被害者ご本人にしかわからないものです。そのため、症状の内容や程度を判断する方法が必要となります。そこで重要視されるのが医師による医学的な見地に基づく意見です。後遺障害といえるためには、被害者の感じている障害が存在していることを、医師の画像や検査等の各所見を通して、証明(説明)できなければなりません。

④ 労働能力の喪失(低下)を伴う

障害の内容によっては、交通事故に遭う前と同じような働き方ができなくなり、それによって減収が生じる、もしくは同じ成果を出すために無理をしなければいけなくなってしまうなど労働能力への影響が生じます。後遺障害は、労働能力に影響を及ぼすような障害であることが要件となっています。

⑤ その程度が自賠法施行令の等級に該当するもの

自賠法施行令とは略称で、正式には「自動車損害賠償保障法施行令」といいます。

後遺障害は、自賠法施行令によって、その症状の部位や程度に応じて1級~14級の14段階に分類されており、この分類のことを「後遺障害等級」といいます。

後遺障害等級の認定を受けるためには、自賠責保険に後遺障害等級認定申請を行い、残っている症状が、自賠法施行令に定められている後遺障害に該当していると認定を受ける必要があります。

後遺障害の等級認定を受けるメリット

後遺障害等級認定を受けると、「後遺障害慰謝料」と「逸失利益」というものを加害者へ請求することができます。

後遺障害慰謝料

後遺障害慰謝料とは、後遺障害を負ってしまったことに対する慰謝料です。後遺障害慰謝料の金額は、等級ごとに決まった金額が定められていて、認定された等級に応じてその金額を請求することができます。

後遺障害慰謝料の金額

後遺障害慰謝料には、「自賠責基準」と「裁判基準」という2つの基準があります。

自賠責基準とは、自賠責保険に対し後遺障害申請を行い、後遺障害等級認定をうけた際に自賠責保険から支払われる金額の基準です。加害者側の任意保険会社は、示談金を提示してくる際、この自賠責基準をもとに提案をしてくることが多いです。

他方で、裁判基準とは、交通事故の裁判例の蓄積の中で生まれた基準です。弁護士が用いるため、弁護士基準と呼ばれることもあります。

自賠責基準と裁判基準とでは、両者の金額が大きく異なっています。

また、裁判においては事案の内容に応じて調整金が加算されることがあります。

後遺障害等級後遺障害慰謝料
自賠責基準裁判基準
第1級1100万円2800万円
第2級958万円2370万円
第3級829万円1990万円
第4級712万円1670万円
第5級599万円1400万円
第6級498万円1180万円
第7級409万円1000万円
第8級324万円830万円
第9級245万円690万円
第10級187万円550万円
第11級135万円420万円
第12級93万円290万円
第13級57万円180万円
第14級32万円110万円

逸失利益

後遺障害が残ったことにより、将来に亘って発生する損害に対する賠償で、賠償額は以下の計算式によって算定されます。

基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数

労働能力喪失率

後遺障害が労働能力へ影響を及ぼすかを割合で表したものです。後遺障害等級ごとに決められた割合が定められています。

第1級第2級第3級第4級第5級第6級第7級
100%100%100%92%79%67%56%
第8級第9級第10級第11級第12級第13級第14級
45%35%27%20%14%9%5%

労働能力喪失期間

後遺障害を負ったことによって労働能力を失うことになった年数のことをいいます。労働能力喪失期間の終期は、原則67歳までとなります。ただし、高齢者の場合には、67歳までの年数と、厚生労働省が公表している簡易生命表上の平均余命までの年数の3分の1の内、どちらか長い方が労働能力喪失期間となります。

ライプニッツ係数

逸失利益を賠償金として受け取る場合、本来は被害者が生涯かけて稼いだはずの金額を前倒しで一度に受け取ることになります。例えばこの金額を銀行に預金したとすると、本来生じなかったはずの利息が利益として生じることになります。より実態に即した賠償額に近づけるために、一度に受け取ったことによって生じた利益を控除する指数がライプニッツ係数です。「中間利息控除」ともいいます。

後遺障害等級認定の基準と慰謝料

後遺障害等級の内容は、自賠法施行令の中の「後遺障害等級表」に定められています。

後遺障害別等級表は別表第1と2があり、第1に介護を要する後遺障害、第2はその他の後遺障害が載っています。

等級介護を要する後遺障害後遺障害慰謝料/労働能力喪失率
第1級1 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し,常に介護を要するもの 2 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常に介護を要するもの2800万円
第2級1 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの 2 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、随時介護を要するもの2370万円
別表第1
等級後遺障害後遺障害慰謝料
第1級1 両眼が失明したもの 2 咀嚼及び言語の機能を廃したもの 3 両上肢をひじ関節以上で失ったもの 4 両上肢の用を廃したもの 5 両下肢をひざ関節以上で失ったもの 6 両下肢の用を廃したもの2800万円
第2級1 1眼が失明し,他眼の資力が0.02以下になったもの 2 両眼の資力が0.02以下になったもの 3 両上肢を手関節以上で失ったもの 4 両下肢を足関節以上で失ったもの2370万円
第3級1 1眼が失明し,他眼の資力が0.06以下になったもの 2 咀嚼又は言語の機能を廃したもの 3 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し,終身労務に服することができないもの 4 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し,終身労務に服することができないもの 5 両手の手指の全部を失ったもの1990万円
第4級1 両眼の資力が0.06以下になったもの 2 咀嚼及び言語の機能に著しい障害を残すもの 3 両耳の聴力を全く失ったもの 4 1上肢をひじ関節以上で失ったもの 5 1下肢をひざ関節以上で失ったもの 6 両手の手指の全部の用を廃したもの 7 両足をリスフラン関節以上で失ったもの1670万円
第5級1 1眼が失明し,他眼の視力が0.1以下になったもの 2 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し,特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの 3 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し,特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの 4 1上肢を手関節以上で失ったもの 5 1下肢を足関節以上で失ったもの 6 1上肢の用を全廃したもの 7 1下肢の用を全廃したもの 8 両足の足指を全部失ったもの1400万円
第6級1 両眼の視力が0.1以下になったもの 2 咀嚼又は言語の機能に著しい障害を残すもの 3 両耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの 4 1耳の聴力を全く失い,他耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの 5 脊柱に著しい変形又は運動障害を残すもの 6 1上肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの 7 1下肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの 8 1手の5の手指又はおや指を含み4の手指を失ったもの1180万円
第7級1 1眼が失明し,他眼の視力が0.6以下になったもの 2 両耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの 3 1耳の聴力を全く失い,他耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの 4 神経系統の機能又は精神に障害を残し,軽易な労務以外の労務に服することができないもの 5 胸腹部臓器の機能に障害を残し,軽易な労務以外の労務に服することができないもの 6 1手のおや指を含み3の手指を失ったもの又はおや指以外の4の手指を失ったもの 7 1手の5の手指又はおや指を含み4の手指の用を廃したもの 8 1足をリスフラン関節以上で失ったもの 9 1上肢に偽関節を残し,著しい運動障害を残すもの 10 1下肢に偽関節を残し,著しい運動障害を残すもの 11 両足の足指の全部の用を廃したもの 12 外貌に著しい醜状を残すもの 13 両側の睾丸を失ったもの1000万円
第8級1 1眼が失明し,又は1眼の視力が0.02以下になったもの 2 脊柱に運動障害を残すもの 3 1手のおや指を含み2の手指を失ったもの又はおや指以外の3の手指を失ったもの 4 1手のおや指を含み3の手指の用を廃したもの又はおや指以外の4の手指の用を廃したもの 5 1下肢を5センチメートル以上短縮したもの 6 1上肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの 7 1下肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの 8 1上肢に偽関節を残すもの 9 1下肢に偽関節を残すもの 10 1足の足指の全部を失ったもの830万円
第9級1 両眼の視力が0.6以下になったもの 2 1眼の視力が0.06以下になったもの 3 両眼に半盲症,視野狭窄又は視野変状を残すもの 4 両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの 5 鼻を欠損し,その機能に著しい障害を残すもの 6 咀嚼及び言語の機能に障害を残すもの 7 両耳の聴力が1メートル以上の距離 8 1耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になり,他耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になったもの 9 1耳の聴力を全く失ったもの 10 神経系統の機能又は精神に障害を残し,服することができる労務が相当な程度に制限されるもの 11 胸腹部臓器の機能に障害を残し,服することのできる労務が相当な程度に制限されるもの 12 1手のおや指又はおや指以外の2の手指を失ったもの 13 1手のおや指を含み2の手指の用を廃したもの又はおや指以外の3の手指の用を廃したもの 14 1足の第1の足指を含み2以上の足指を失ったもの 15 1足の足指の全部の用を廃したもの 16 外貌に相当程度の醜状を残すもの 17 生殖器に著しい障害を残すもの690万円
第10級1 1眼の視力が0.1以下になったもの 2 正面を見た場合に複視の症状を残すもの 3 咀嚼又は言語の機能に障害を残すもの 4 14歯以上に対し歯科補綴を加えたもの 5 両耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になったもの 6 1耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの 7 1手のおや指又はおや指以外の2の手指の用を廃したもの 8 1下肢を3センチメートル以上短縮したもの 9 1足の第1の足指又は他の4の足指を失ったもの 10 1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの 11 1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの550万円
第11級1 両眼の眼球に著しい調整機能障害又は運動障害を残すもの 2 両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの 3 1眼のまぶたに著しい欠損を残すもの 4 10歯以上に対し歯科補綴を加えたもの 5 両耳の聴力が1メートル以上の距離では小声を解することができない程度になったもの 6 1耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの 7 脊柱に変形を残すもの 8 1手のひとさし指,なか指又はくすり指を失ったもの 9 1足の第1の足指を含み2以上の足指の用を廃したもの 10 胸腹部臓器の機能に障害を残し,労務の遂行に相当な程度の支障があるもの420万円
第12級1 1眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの 2 1眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの 3 7歯以上に対し歯科補綴を加えたもの 4 1耳の耳殻の大部分を欠損したもの 5 鎖骨,胸骨,ろく骨,けんこう骨又は骨盤骨に著しい変形を残すもの 6 1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの 7 1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの 8 長管骨に変形を残すもの 9 一手のこ指を失ったもの 10 1手のひとさし指,なか指又はくすり指の用を廃したもの 11 1足の第2の足指を失ったもの,第2の足指を含み2の足指を失ったもの又は第3の足指以下の3の足指を失ったもの 12 1足の第1の足指又は他の4の足指の用を廃したもの 13 局部に頑固な神経症状を残すもの 14 外貌に醜状を残すもの290万円
第13級1 1眼の視力が0.6以下になったもの 2 正面以外を見た場合に複視の症状を残すもの 3 1眼に半盲症,視野狭窄又は視野変状を残すもの 4 両眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの 5 5歯以上に対し歯科補綴を加えたもの 6 1手のこ指の用を廃したもの 7 1手のおや指の指骨の一部を失ったもの 8 1下肢を1センチメートル以上短縮したもの 9 1足の第3の足指以下の1又は2の足指を失ったもの 10 1足の第2の足指の用を廃したもの,第2の足指を含み2の足指の用を廃したもの又は第3の足指以下の3の足指の用を廃したもの 11 胸腹部臓器の機能に障害を残すもの180万円
第14級1 1眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの 2 3歯以上に対し歯科補綴を加えたもの 3 1耳の聴力が1メートル以上の距離では小声を解することができない程度になったもの 4 上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの 5 下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの 6 1手のおや指以外の手指の指骨の一部を失ったもの 7 1手のおや指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの 8 1足の第3の足指以下の1又は2の足指の用を廃したもの 9 局部に神経症状を残すもの110万円
別表第2

後遺障害等級認定までの流れ

後遺障害等級は、治療をして症状固定を迎えた後、自賠責保険へ申請を行い、認定を得ることになります。

①自賠責保険への申請

後遺障害等級認定申請は、各保険会社の自賠責保険窓口へ行います。

後遺障害等級認定申請の申請方法は、「被害者請求」という被害者自身が申請する方法と、「事前認定」という加害者側の任意保険会社から申請する方法の2種類があります。

事前認定

事前認定は、加害者側の任意保険会社から自賠責保険窓口へ申請する方法です。申請者は加害者側の任意保険会社となるため、被害者は申請に必要な書類を加害者側の任意保険会社へ提出することになります。事前認定の場合、被害者が加害者側の任意保険会社へ提出する必要があるのは医師が作成した「後遺障害診断書」という診断書のみです。その他の申請に必要な書類は全て加害者側の任意保険会社が準備します。

事前認定のメリットは、被害者本人に負担がかからないという点です。

反面、デメリットとしては自賠責保険に何を提出するかを加害者側の任意保険会社に委ねることになる点です。もし、加害者側の保険会社が等級認定に影響を及ぼすような医師の意見書を添付していたとしても被害者はそのことを関知することができまません。

被害者請求

被害者請求は、被害者本人が自賠責保険窓口へ申請する方法です。

被害者請求は、被害者が直接自賠責保険に申請のために必要な書類を提出することになるため、事前認定のようなデメリットは生じません。これが被害者請求のメリットといえます。

しかし、後遺障害等級認定申請に必要な書類は後遺障害診断書だけではありません。色々な書類を揃えなければならず、被害者にとって負担となるというのが被害者請求のデメリットです。もっとも、このデメリットは、後遺障害等級認定申請に精通した弁護士に依頼することによって回避することができます。

②自賠責保険による確認

自賠責保険は、申請書類を受理すると、書類に不備がないかを確認します。不備がないことを確認できた書類は、損保料率機構(損害保険料率算出機構)という機関へ回付されます。

③損害保険料率機構による調査

後遺障害の調査を行うのは、自賠責保険ではありません。損保料率機構(損害保険料率算出機構)という公正かつ中立的な立場の機関で調査されます。調査がすべて完了すると、損保料率機構は調査結果を自賠責保険へ報告します。

④結果の通知

損保料率機構での調査結果は自賠責保険を通じて被害者へ通知されます。

なお、事前認定を用いた場合、自賠責保険は申請者である加害者側任意保険会社へ結果を通知するため、被害者は加害者側任意保険会社から結果の通知を受けることになります。

自賠責保険へ申請を行ってから結果の通知を受けるまでにかかる期間は、申請内容によって異なります。ムチウチ等の場合は1~3か月程度であることが多いように見受けられます。高次脳機能障害等の重度後遺障害の場合は1年以上に及ぶこともあります。

等級認定に納得が行かない場合

後遺障害等級認定申請には、「異議申立」という制度があります。異議申立とは、その名の通り、後遺障害認定申請の結果に異議があると申請することです。

異議申立は、後遺障害等級認定申請のときと同様に自賠責保険へ申請します。申請書類は再度自賠責保険を通じて損保料率機構に回付され、損保料率機構で調査されることになります。もっとも、このとき調査を担う機関は、1度目と同じではありません。異議申立事案は、損保料率機構の中でも「自賠責保険審査会」という上部審査機関で調査されることになります。

後遺障害等級認定申請を行い、その申請結果に納得できないという方は、一度弁護士に相談をし、異議申立で結果が変わる可能性について検討してもらうことをお勧めします。特に、加害者側の任意保険会社を通して申請する事前認定を行った方が、弁護士に依頼をして異議申立を行ったところ認定結果が変わったというケースは少なくありません。

後遺障害の等級認定を受けるためのポイント

適切な後遺障害等級の認定を受けるためのポイントは、その方がどの段階なのかによって異なってきます。

治療中の方

まず、後遺障害は、治療をしても一進一退の状態(症状固定)となるまで治療する必要があります。まずは、医師の指導にしたがって治療を継続していきましょう。

このとき大切なのは、診察の際は医師に自覚症状を正確に伝えること、医師が必要だといっているにも関わらず通院や服薬を止めたりしないことです。

なぜかというと、後遺障害等級認定では、治療の経過を疎明する資料として、治療中の診断書や診療報酬明細書等を提出する必要があり、その内容が等級認定の判断材料の一部となるからです。

これから症状固定を迎える方

受傷から症状固定にいたるまでは、多くの傷害の場合、半年から1年程度が目安です。

もっとも、これはあくまで目安で、受傷部位や傷病によっては数年の治療を要することもあります。

注意しなければならないのは、相手方保険会社がいう治療費の打ち切りと症状固定は同義でないということです。症状固定の時期は、医師の見解をもとに判断するものであって、保険会社が決めるものではありません。症状固定時期を判断する際は、本当に適切なタイミングなのかを十分に検討して判断する必要があります。

医師に後遺障害診断書の作成を依頼する方

後遺障害認定申請をする場合、後遺障害診断書を医師に作成してもらう必要があります。

後遺障害診断書は認定結果を左右する最も大事な書類です。

適切な後遺障害等級の認定を受けるためには、検査の数値等が該当する後遺障害等級の基準を満たしている必要があります。必要な検査を実施し、その結果を医師に後遺障害診断書に記してもらう必要があります。

注意しなければならないのは、医師は治療の専門家であって、交通事故の専門家ではないということです。ほとんどの医師は後遺障害認定診断書の書き方をあまり詳しく把握していません。必要なポイントをおさえることができるよう、後遺障害診断書を作成する前に弁護士に相談することをお勧めします。

これから後遺障害等級認定申請を出す方

後遺障害診断書が完成したら、後遺障害等級認定申請を行います。申請時は、上述したとおり、事前認定ではなく、被害者請求を使うことをお勧めします。

まとめ

交通事故被害者にとって、後遺障害は、将来にわたって向き合っていかなければならないものです。交通事故被害者の金銭的な不安が少しでも解消されるためには、適切な後遺障害等級認定を受け、加害者から適切な賠償を受ける必要がありますが、被害者ひとりが保険会社とのやり取りや各種手続きを行っていくことは困難なことです。

交通事故によって受傷し、治療を継続している方、これから後遺障害等級認定申請を迎える方、是非一度当事務所の弁護士にご相談ください。

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